本研究では、チリ共和国(以下、チリ)における海藻資源利用について明らかにすることを目的とした。とりわけ、海藻からアルギン酸や寒天などを生産する海藻工業に着目し、漁業者による海藻採取や国内外におよぶ原藻調達の実態について明らかにした。チリでは、主として北部でアルギン酸原藻が、南部では寒天原藻やカラギーナン原藻の生産量が多い。 2014年2月と8月の現地調査では、海藻工業に関わる会社と漁業者にインタビューを行った。調査を通し、チリは世界の海藻工業の原料生産において大きな役割を有していることがわかった。特に、アルギン酸原藻の流通において中国の比重が増しており、今後の資源維持に不安定性を与えていた
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