研究課題
1)シヴァ教再認識派文献の写本のマージナルノートを網羅的に蒐集することに基づいて、失われた文献『主宰神の再認識詳注』(以下、『詳注』)を再構築すること、2)ウトパラデーヴァが体系化したシヴァ教再認識派の神学体系をアビナヴァグプタがどのような点で発展・精緻化させたのかを明らかにすること、を目的として、本年度は、1)マージナルノートの蒐集、2)写本調査、3)『詳注』の文献学的研究を行う予定であった。このうち、時間的制約により、ウッジャインの写本調査を行うことが出来なかった。マージナルノートの蒐集に関しては、ラクノウのデーヴァナーガリー写本に含まれるすべての『詳注』の断片についてはディプロマティックエディションの作成を完了した。また『詳注』の断片が含まれていることが確認されたシャーラダー写本には、『詳注』の断片と推定できない断片も少なからず含まれていることも確認された。これらの成果の一部は、Japan-Austria International Symposium on Transmission and Tradidonのプロシーディングに投稿している。シャーラダー写本のマージナルノートは、鮮明ではない箇所が少なくないため、第一章第四日課以外のディプロマティックエディションの作成を継続し、既に完成している部分については校訂テキストと訳注を完成させる必要がある。『詳注』および『詳注に関する反省的考察』の文献学的研究を進め、その成果の一部として、2014年8月にドイツ・ハイデルベルクで開催される第5回ダルマキールティ国際学会において研究発表を行った。またウトパラデーヴァの『詳注』の文献学的研究の成果を、2015年6月にタイで開催される第16回国際サンスクリット学会において研究発表を行う予定である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proceedings of Japan-Austria International Symposium on Transmission and Tradition: The Meaning and the Role of “Fragments” in Indian Philosophy
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