期間の前半は、Tobler-Mussafia の法則の「改訂版」によって、古サルデーニャ語の定動詞節のクリティック位置の体系的な記述を試みた。さらに、古サルデーニャ語には現代サルデーニャ語と同じ位置に現れるクリティックがあることに対して、古サルデーニャ語では Tobler-Mussafia の法則の消失がすでに開始していたと考え、クリティックの位置の通時的変化について基礎的な考察を加えた。 期間の後半は、古サルデーニャ語におけるクリティックの重複が生じる条件についての分析をおこなった。その結果、クリティックの重複は、目的語の意味的特徴のみならず、目的語のトピック性が深く関わっていることを示した。
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