本研究では、ガーナ南部の農村地帯における結核対策について現地調査を実施した。その結果、(1)結核対策では実際に患者を発見・治療する看護師への働きかけが重視されていること、(2)しかし、看護師の結核対策への参与は限定的であること、(3)これは看護師の怠慢というよりは予算と人員の不足に由来すること、(4)看護師に頼れない患者は、逆説的に、ドキュメントを用いて自己管理をしていること、(5)患者の生活は結核対策というよりは家族の影響を強く受けていること、(6)結果的に、結核治療の成否は、看護師と家族がいかに結核対策に参与するかに依然として依存していること、の諸点が明らかになった。
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