研究課題/領域番号 |
25884098
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
高田 祐一 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 研究支援推進部, アソシエイトフェロー (50708576)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | 石切場 / 土木技術 / 日本近世史 / 石材 / データベース / 石工技術 |
研究概要 |
本研究の目的は、文献史料・考古資料を含めた史的情報を資源化し、有効な活用方法を模索することである。実証的研究として近世における石材生産と運搬の実態解明をテーマとしている。 2013年度は、兵庫県・香川県の文書館、宮内庁宮内公文書館にて史料の写真撮影・翻刻を実施し、データ入力を進めた。特に香川県小豆島の石切場に関する史資料を収集した。 石切場は生産遺跡であるため、石切場現地の生産地に関する史資料と石材の供給先である消費地に関する史資料の2点を収集の観点として設定した。具体的に収集対象とした時期は、近世初期の石切場を開いた時期、近世初期から幕末まで残石を監護していた時期、幕末期の残石を再利用した時期、大正期に残石を庭園の門の袖垣石として再利用した時期、現代の史跡指定に至る過程など史的情報を収集した。消費地についても追跡調査を実施した。結果、近世初期から近現代にかけての石切場利用の実相が判明した。社会的要請の変化によって石切場の利用実態も変化し、人々の石に対する概念も変質していることが明らかとなった。これら収集した史資料は、空間と時間情報をキーワードとすることで史的情報の結合が可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画通りの推進を目指している。近世初期から近現代までの史資料を収集できた。収集した史資料は随時データ整理、データ入力を進めている。ただし想定より幕末期の史料が豊富であり整理に注力したため、香川県小豆島にて採石した福岡藩黒田家に関する史料収集が若干手薄である。
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今後の研究の推進方策 |
時代により情報の偏りが発生しているため、情報のリバランスを図りながら研究を進める。追加で必要であると判断した情報については、引き続き資料を収集する。本研究課題の最終年度であるため、「史的情報の構造化」「情報資源化」を目標にデータ整理・入力を進める。まずは現在進めている史資料の目録作成を着実に進めつつ、有用な情報基盤構築を目指してどういった情報構造が良いか検討していく。
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