本研究では、既存の学力調査の公開データを用いた二次分析をとおして、現代日本社会における教育達成の男女間格差・階層間格差の生成メカニズムについて検討した。「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」や「第4回学習基本調査」(ベネッセコーポレーション)のデータを用いた計量分析の結果、高校1年生の進学期待に対する性別や出身階層の影響が数学自己効力感という主観的要因によって部分的に媒介されていること、また、中学2年生の進学期待に対する出身背景(親の学歴)の影響の一部が成績自己評価や「がんばればとれると思う成績」という主観的要因によって媒介されていること等が示された。
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