本研究の目的は、超高層マンションの調査を通して、現代社会における都市住宅の動向とその変化の方向性を、消費社会論・メディア論の視点から分析することにある。分析の結果、国内の大都市圏地域と観光都市地域では、住宅広告の重点の置き方に相違が認められた。ただし、その地域差は限定的なものにとどまり、むしろ主要な語りのコードは地域を超えて共有されていることが明らかとなった。これに対し、東京と海外の主要都市とのあいだには、広告表現のモードに明らかな差異が見受けられた。こうしたモードの差異は、購買層や購入動機の差異と深く関わっていると考えられ、この点についての比較研究が今後の課題となる。
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