本研究では、社会的排除のリスク下にある子ども/若者を多く受け入れている高等専修学校を事例とし、①生徒たちにどのような教育支援・自立支援が行われるのか、②その支援は卒業生の社会的自立のプロセスとどのように関連するのか、という2点を描き出すことを目的とした。事例の高等専修学校では、在学時の教師の話の内容や教師・友人との心理的な絆が、卒業生の就業・就学継続を促す「想起される学校経験」となっていた。しかし卒業生のインタビューからは、そうした「想起される学校経験」が早期離職・中退者の社会的自立の困難にもつながりうることが示唆された。
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