マイノリティ当事者と当事者ではない人のコラボレーションの現場では、「当事者」が「非当事者」に創造のきっかけを与えていた。一方、「非当事者」は「当事者」という概念を拡張させたり、「当事者/非当事者」という境界線を揺り動かす存在であることがわかった。また、「当事者」の側に立つ人々が、非当事者が提起する概念拡張について、積極的に受け入れた時、二者を隔てる境界線が融解することもわかった。芸術表現の現場で、当事者と非当事者がコラボレーションすることで、従来の「当事者」概念では見出すことのできない新しい「当事者」概念が見られることが明らかになった。
|