研究課題/領域番号 |
25885038
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
遠藤 聡 横浜国立大学, 環境情報研究院, 講師 (60708022)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | 地域経済 / 地域政策 / フィンランド / オウル / 制度 |
研究概要 |
本研究は、成長地域から後進地域まで多様な成長拠点の設立を支援するとともに、重層的な地域間ネットワークによって一国的な地域発展システムの構築を試みるフィンランドの地域政策の実態と政策的意義を明らかにしようとするものである。本年度の主な研究内容は、以下のとおりである。第一に、欧州諸国を中心とする近年の地域政策および研究動向をサーベイするとともに、フィンランドの地域政策に関する政府関係資料および統計データの収集活動を現地(ヘルシンキ国会図書館、議会図書館等)にて行った。第二に、これらの準備的作業をもとに、地域政策研究への分析枠組みを検討する論文として「比較地域制度アプローチによる地域政策論に向けて」『地域経済学研究』(日本地域経済学会、2014・27号)を発表した。そこでは、地域レベルの多様な実験的な制度創造の重要性、特定地域における制度的構築物の他地域による学習可能性、制度学習・移転を促す国家的な支援政策の重要性といった点について、主にフィンランドの事例を参考に論じた。第三に、日本の成長拠点政策(テクノポリス政策・クラスター政策)および成長拠点(特に、神奈川県・神戸市・富山県)の実態に関する先行研究の整理および現地調査を行った。これによって、フィンランドの成長拠点政策の有する政策的意義や今後の研究課題がより鮮明になるものと期待される。その成果は、本年度中に、海外の研究チームが編集する研究書に掲載される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
英国の研究者を中心とした成長拠点の動向に関する国際比較研究書の出版プロジェクトに参加することになり、フィンランドだけではなく日本の実態分析を踏まえた成長拠点研究が必要になったためである。しかし、このことによって、国際比較の視点や政策移転・学習に関する諸問題など、本年度中に研究論文を作成する予定のフィンランドの成長拠点に関する本格的な実証分析に向けて、有益な示唆を得た。
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今後の研究の推進方策 |
フィンランドの事例を国際的な研究・実態の動向に即して研究を進展させる作業を従来通り並行して進めながら、同国の成長拠点政策に関する本格的な実証分析を行う。
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