本研究におけるドイツおよび日本での調査を通じて、これまで日本では著作・論文等でほとんど言及されてこなかった「オイリュトミー療法(治療オイリュトミー)」について、実践・養成の二つの側面について詳細なデータを得ることができた。また、教師(療法士)のまなざしと「不可視のもの」との関係について、(1)「不可視のもの」についての語りが教師に「問い直し」の契機を与えること、(2)その問い直しによって、子どもの「現れ」がより繊細に観察できること、(3)その問い直しにはグループ作業での客観化が有用であること等、現在のわが国の教員養成における子どもの見方の養成を考える上で、重要な知見が得られた。
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