研究課題/領域番号 |
25885044
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
篠崎 正典 信州大学, 教育学部, 助教 (80705038)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | 成立期社会科 / カリキュラム開発 / 長野県 / 小学校 |
研究概要 |
本研究は,文部省教科書局とその実験学校の役割に着目し,長野県における成立期小学校社会科のカリキュラム開発の実態を明らかにすることにある。本年度は,3つの作業を進め,次の研究成果をあげた。 (1)長野県における社会科の導入過程を解明すべく,信濃教育会,郡教育会関係史料を収集,複写,整理して分析した。その結果,信濃教育会が中心に進めた新教育研究会,公民教育発表会等と青木誠四郎を中心とする文部省関係者との関係,1947年4月に設立された信濃教育研究所に所属する研究員が,郡の教育会と結びつきながら社会科研究を推進させたことが明らかになった。(2)1948年以降,信濃教育会が進めた『小学校社会科学習帳」の編纂過程の解明のため,信濃教育会関係史料を収集,整理,分析した。その結果,教科書編纂における長野男子附小の社会科担当教官や戦前の教科研究との関係の中で進められたことが明らかになった。 研究成果は,平成26年度中に,雑誌論文と学会発表で報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
長野県の成立期社会科の実施において大きな役割を果たした信濃教育会,郡教育会,長野県内で文部省教科書局から実験学校に指定された学校等の取り組みに関わる新史料を多く発掘できた。これにより,先行研究での成果をさらに進展させるための見通しが立ったため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度明らかにした信濃教育研究所の研究員による社会科研究が,郡レベルで学校のカリキュラム開発を促進し,かつそれが郡の教育会における社会科カリキュラム開発に影響を与えたことが明らかになった。こうした動向は,1948年から信濃教育会と長野県教育委員会が中心となって取り組んだ長野県版社会科学習指導要領編纂の基盤となっていく。以上を踏まえ,平成26年度は,(1)長野県版社会科学習指導要領の編纂過程,(2)長野県版社会科学習指導要領の内容的特徴,(3)長野県版社会科学習指導要領の県内の現場実践への影響,の3点について解明したい。それにより,当時の県内の社会科カリキュラム開発の一端が解明されるであろう。
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