研究課題/領域番号 |
25885050
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
恩地 一樹 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (80709858)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | 法人税 / M&A / グループ企業 |
研究概要 |
今年度は,主に税制とM&A研究の基盤を構築し,共同研究者との打ち合わせのために渡米し,予備結果の研究発表をおこなった。今年度の補助金は、主に上記の研究を遂行するための機材とデータの購入費に当てられた。 1. 税とM&A研究の実証分析には,企業同士のマッチング度を考慮するため,業績の相関関係などの企業ペアのデータ構築をおこなった.およそ3-4年を1期間とし,期間毎に平均5百万ペアにももぼる膨大なデータである.2013年11月に米国で共同研究者のゴードン教授と研究打合せを行い,2014年1月に神戸大学研究会において予備調査の結果の研究発表をおこない,フィードバックを得るなど研究をすすめてきた.研究のはじめ,M&Aにかかわる税制などの制度要因が複雑であることは十分予想していたが,研究がすすむにつれ,企業のM&A行動に一見関係ない,個人所得税などが関係するため,複雑な相互作用を考慮すべきことがわかった.このため,当初は1990年から2013年のデータを一括して統計分析につかうことを想定していたが,期間を限定することにより個々の制度変化をより繊細に活用し税制の影響を正確にとらえうる手段を採用するなど,分析手法に微調整を加える必要があることが分かった.なお、この研究を遂行するにあたっては、補助金を用いて最新鋭ワークステーションと6コア対応の統計分析ソフトを購入した。 2.グループ税制導入の研究を遂行するためのデータが2014年2月にリリース予定であったので,リリースを待ち2014年3月に必要データを購入した.現在,データの準備中である.なお,データ購入には補助金の前倒し分も用いた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね計画通りにすすんでいる.税とM&Aは(1)データが膨大で当初予想していたよりも計測に時間がかかる(2)制度の相互作用が複雑で分析手法を調整する必要があることから,次年度は計画より遅れも見込まれる.グループ税制導入の研究は,必要データが2014年2月にリリースされたばかりなので,主に26年度に遂行するに予定である.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,税とM&Aの研究を,5月の東大と阪大の合同研究会,9月のオーストラリア国立大学でのセミナーで報告し,年度末までにワーキングペーパーの執筆をすすめる.グループ税制の研究はデータ処理と予備研究を行ったうえで研究報告を行う.
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