本研究は、携帯電話におけるフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行に関するものである。今回は、両者間の非連続性を機種間の参照関係から明らかにしたうえで、その非連続性についてクチコミの中で登場する「話題」の出現割合の変化から調査した。 「話題」は次のような過程で分析された。テキストマイニングによって各機種を分析したとき、多数の語が共通して多くの機種で出現する。しかし、語の意味は文脈依存的なものであるため、それら諸語に同じ意味が充当されているとは限らない。他方、共起する語が増えれば増えるほど解釈の余地は狭まるため、語に充当される意味の共通性が近似する可能性が高くなる。そこで上記頻出語と共起する語を分析し、頻出共起関係を抽出する。そして、抽出された頻出共起関係をコーディングルールとして、それを「話題」とする。このようにコード化された複数話題が、調査の対象となっている全機種の中でどの程度の割合で出現しているのかを調査し、その結果の経時的変化、つまり話題の出現率の経時的変化から、形成される意味や参照構造とその変化を明らかにすることができる。 上記「話題分析」の結果出現割合に明確な変化が見られる話題が全43話題中16話題ある一方で、明確な変化が見られない話題が27話題と、6割を超える事も分かった。以上の結果から、フィーチャーフォンとスマートフォンの間には非連続性とともに連続性も存在することが明らかとなった。
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