本研究の目的は障害福祉と介護保険におけるホームヘルプサービスの適用関係をめぐる制度の谷間の問題(適用関係問題)に照準し、その実態を明らかにすることである。サービス利用者、事業者、行政官に対して行った調査では、従来通りのサービス利用が可能となっている事例がある一方、介護保険の優先利用が求められ、それを超えた障害福祉サービスの利用が制限されている事例が見られた。また、介護保険の優先利用を求める国の方針に対する疑問の声も聞かれ、介護制度の根本的見直しの必要も指摘された。介護保障の確立に向けて、制度間の齟齬を埋める取り組みが今後も求められている。
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