自己で遂行した行為は、他者の行為を観察した時よりも、記憶成績がいいことが先行研究で明らかになっている(実演効果)。バーチャル世界で動くアバタに自己を投影した場合にはこの実演効果が見られるであろうという仮説を元に、様々な条件下においてアバタに行為を遂行させ、その行為記憶を測定することにより、自己行為の時間的・空間的拡張要因について検討した。その結果、実験者から「自己アバタ」だと教示されたとしても、そのアバタの行為を観察しているだけでは実演効果が見られず、実演時にアバタ行為の始まりをコントロールするボタンを押した場合にのみ実演効果が見られることが明らかになった。
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