本研究では、生活福祉資金貸付制度におけるリバースモーゲージ制度の現状と課題について明らかにした。主に明らかになったのは以下の点である。第1に、貸付件数は都市部に集中しているということ。第2に、要保護世帯向けのリバースモーゲージにおいては、今後、不良債権が多く発生することも懸念されるということ、第3に、要保護世帯向け・その他世帯向けともに、相続人返済による完済件数が、不動産売却による完済件数に匹敵するほど多いということ、第4に、貸手である社会福祉協議会は、単に債権保全の観点から当該制度を運用しておらず、必要に応じて福祉事務所や地域包括支援センターなどと連携しているということ、である。
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