本研究は、大学生の学びと成長における研究知見の蓄積のために、大学生の学習ダイナミクスと結びついたキャリア形成に関する理論的・実証的研究を体系的に進めることを主たる目的とする。本研究の理論研究では、大学生の成長について、認知的・認識論的成長と対自的・対人的(対他的)成長とが相同な構造で理論化されていることを明らかにしてきた。本研究の調査研究では、大学生の学習に関する時間的展望が将来・現在・過去からなること、将来の側面だけでなく現在・過去の側面にも着目する必要があること、そして自己省察によって将来・現在・過去の学習に関する時間的展望を形成していくことが実践的課題であることを明らかにしてきた。
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