本研究は、現代ドイツの初等・中等教育段階の道徳教育改革において、カリキュラム内容、授業実践、教師教育をめぐって倫理科と宗教科とがどのような関係にあるのかを解明することを目的とし、改革を進める3州を中心に、予備調査を行った上で、現地調査を行った。 その結果、(1)倫理科と宗教科において、児童生徒が獲得すべきコンピテンシーが明確化され、そうしたコンピテンシー獲得に向けて教育方法上の学習プロセスと評価方法が再構築されている点、(2)授業実践における倫理科と宗教科との連携の目的として、異文化間コンピテンシーを発達させることが掲げられ、教員養成においても新たな取り組みが開始されている点が明らかになった。
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