本研究では、企業における「昇進」に注目し、昇進前後の処遇と労働意欲等の実態についていくつかの統計分析から明らかにする。 ある日本企業の、企業内人事マイクロデータと、アンケートデータを複数年分結合したパネルデータを用いることが特徴である。個人を識別しながら、複数年追跡することで、昇進前後の処遇と労働意欲等について分析することが可能となる。 具体的には、①昇進している者の属性や能力、②昇進前後の処遇(賃金等)の変化、③昇進前後の労働意欲の実態、④ファストトラック(特急組)の存在、などについて統計的に検証する。 今年度は、研究協力者らと従業員満足度調査(アンケート)を実施し、データを入手した。また、複数回研究会を行い、データの整理とテーマについての議論、分析の基礎的作業等を行った。 既に次年度のアンケートの準備も行っており、アンケートの実施も決定している。今後は分析を進めるとともに、フィードバックと議論を積み重ねながら、論文執筆や研究成果報告を行う予定である。
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