本研究では、2005年に実施されたアメリカウエスト航空とUSエアの合併と2008年に実施されたデルタ航空とノースウエスト航空の合併に焦点を当て、合併が合併企業およびそのライバル企業の運賃設定行動に与える影響について分析を行った。 分析の結果、USエアは合併後に運賃を上げる可能性があること、合併が合併企業およびライバル企業に与える影響は、路線の構造や低費用航空会社(LCC)との競合の有無により異なること、合併した企業の組み合わせにより異なる可能性があることを示した。また、LCCのネットワーク規模により、合併がLCCの運賃設定行動に及ぼす影響が異なる可能性を示した。
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