研究課題/領域番号 |
25885123
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
鈴木 雅之 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 特任研究員 (00708703)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | 教育系心理学 / 学習方略 / テスト / フィードバック |
研究概要 |
生徒の学力向上を促す上で,教育評価を通して生徒の学習の質を向上させることは重要になる。学校教育の教育評価では,現在も学力テストが重要な枠割を果たしているが,生徒の学習を適切に支援できるかどうかはテストの質やテストの運用方法に依存する。そのため,生徒の学習支援に有効なテストの開発や,テストの効果的なフィードバック方法を提案することが重要になる。 そこで本研究では,生徒の学習達成度や理解状況を多次元的に測定し,生徒の学習上のつまづきを明確にすることのできる認知診断テストに着目する。平成25年度はまず,認知診断テストの応用可能性を検討するため,批判的思考力テストに認知診断モデルの適用を行った。これにより,批判的思考力のような高次の思考力を診断する上で認知診断テストが有用であることを示唆した。 また,認知診断テストのフィードバック法に関する研究を行った。まず,日々の学習方法と認知診断テストの結果に相関があることを示し,認知診断テストの結果と日常の学習方法についてフィードバックを行うことの有用性を示した。また,テストのフィードバック情報を学習者がどのように活用するかについて,解答・解説の確認の有無と眼球運動という客観的指標を基に検討した。その結果,学習者がテストのフィードバック情報をどのように活用するかは,テストの得点や情報の内容より,学習者の達成目標やテストに対して抱いた感情の影響を受けやすいことが示された。 さらに,認知診断テストをWeb上で受験可能にし,認知診断テストの結果が即座にフィードバックされるシステムの開発を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度末に予定していたデータの収集が平成26年度の始めになったが,大幅に遅れているわけではない。
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今後の研究の推進方策 |
4―5月の段階で中学校でテストを実施し,認知診断テストの開発を行う。その後,実験・質問紙調査等によって認知診断テストの活用法・効果について検討する。
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