合金金属の腐食は合金金属の耐用年数や様々な環境下における合金性能を決める上で非常に重要な研究対象である。腐食の現象は数百年前から知られている現象にも関わらず、腐食の過程を原子レベルで完全に理解されていない。本研究は金銀合金の腐食が起こる過程を電子顕微鏡を用いて原子レベル観察し、それらの結果から腐食過程の物理的メカニズムの解明を目指した。合金は、13 nm以上の十分大きい領域でバルク合金と同様に溶け易い金属が選択的に溶出(選択的腐食)することがわかった。一方で、合金が原子レベルで小さい領域(10 nm以下)では、幾何学ポテンシャルエネルギーが大きくなるため、構造を保てず崩壊することがわかった。
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