本研究は,ピコジュールの熱分解能を有する熱量センサの開発が目的であった.高感度化のためには小型化が課題である.微細加工技術によってそれが可能であるpn接合による電気抵抗の温度依存性を計測原理として用いた.マイクロ流体チップ内の真空領域にpn接合熱センサを組み込むデバイスの加工工程の確立と,作製したデバイスの評価を行った.作製したデバイスの熱分解能は31.3nJであった.電子線描画を用いることで更なる小型化が可能で,原理的には熱分解能も3桁改善することができる.以上よりpn接合部の電気抵抗値温度依存性を用いて,サブpJの熱分解能を有する熱センサの実現可能を示すことができた.
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