研究課題
近年の酸化物薄膜育成技術の向上により、原子レベルで制御されたヘテロ構造の作製が可能となり、これまでバルク体では実現できなかった巨大な応答、劇的な機能発現を実現できる可能性が期待されている。特に、電子同士が互いに強く相互作用した強相関酸化物系のヘテロ構造における物理現象には基礎・応用の観点から多くの興味が集まっている。本研究では、強相関物質の中でも、最も高品質な薄膜の育成が可能であり、それによって物理現象を原子レベルで詳細に調べることができるSrVO3に着眼した。100ユニットセル程度のSrVO3をパルスレーザー堆積法(PLD)でSrTiO3(001)基板上にエピタキシャル成長させ、走査トンネル顕微鏡(STM)を用いて原子スケールで電子状態を調べた。基板温度などの製膜条件を様々に変化させることで、STM像に明瞭な原子分解能が得られた。さらに、SrVO3薄膜表面の特徴を反映したトンネルスペクトルを原子分解能でマッピングすることに成功した。現在、バルクSrVO3とは異なる薄膜表面上ならではの理由で電子状態が変調されるメカニズムを理論計算と共に探っているところである。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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