研究課題
研究活動スタート支援
本研究の目的は、ダイヤモンド中の窒素中心のスピン状態の電気的な検出に挑戦し、磁気共鳴現象を利用した磁気センサーの実現を目指すことである。EDMR法は磁気共鳴によって変化するダイオード中を流れる電荷の量を測定する方法である.EDMR法を用いてダイヤモンド中の窒素中心のスピン状態と電荷の相互作用を明らかにすることができ,スピン状態を利用して電荷の流れを制御することができる.さらにこのEDMR法は,電気的な窒素中心の制御も可能になる.その応用として,ダイヤモンド窒素常磁性中心の磁気共鳴現象を利用した磁気センサーの実現を目指す.そのために、当該年度において、次の4つ計画を立て研究を行った。1) 電気的磁気共鳴(EDMR)装置の構築、2) シリコンpnダイオードのEDMR測定、3) ダイヤモンドpnダイオードの準備、4) ダイヤモンドpnダイオードのEDMR測定次のそれぞれの結果について示す。まず、1)と2)について:本研究でEDMR装置の構築し、ダイヤモンド中のダングリングボンドのEDMR信号の検出に成功した。3)について:共同研究者と相談し、pnダイオードからさらに電気伝導度高いpinダイオードを準備した。4)について:構築したEDMR装置を用いて、ダイヤモンドpinダイオードのEDMR測定を試みたが、ダイヤモンド中の窒素中心の検出までは至らなかった。そこで、ダイヤモンド中の窒素中心のEDMR測定が報告されている試料とほぼ同等の試料を用意し、このEDMR信号検出にも研究を進めたが信号検出にまでは至らなかった。
2: おおむね順調に進展している
当該年度の研究目的の電気的磁気共鳴(EDMR)装置の構築に成功し、ダイヤモンド中のダングリングボンドの信号検出に成功した。そして、ダイヤモンドpinダイオードを用意し、そのEDMR信号検出を試みたが、信号検出までは至らなかった。さらにその後,報告済みの試料とほぼ同様の試料を用意した.この試料を用いてダイヤモンド中の窒素中心のEDMR信号の検出も試みたが、信号検出までは至らなかった。その結果、当該年度では4つの計画のうち3つまで終わらせることが出来た。
当該年度に構築した,電気的磁気共鳴(EDMR)装置を用いてダイヤモンド中の窒素中心のEDMR信号検出を目指す.まずは,報告済み試料のEDMR信号検出を目指し,測定条件の最適化や装置の検出感度改善を目指す.そして,次の段階でダイヤモンド中に窒素をイオン注入した試料を用いる.この意図的にイオン注入したドーパントである窒素のEDMR検出を行うことは,次の段階でpinダイオードの中の窒素中心の検出だけではなく,濃度制御を行う上で欠くことのできない研究ステップになる.当初の申請書では,イオン注入についての研究計画に入っていなかったが,pinダイオード作成後のドーピング過程や今後の磁気センサーの実演において重要であると考え,イオン注入試料のEDMR測定を本研究方針に追加した.
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Applied Physics Express
巻: 7 ページ: 055201
10.7567/APEX.7.055201
http://scholar.google.co.uk/citations?user=-3j4iHEAAAAJ&hl=en
http://www.suzukiylab.mp.es.osaka-u.ac.jp/