研究課題
本研究の目的は、ダイヤモンド中の窒素中心のスピン状態の電気的な検出に挑戦し、磁気共鳴現象を利用した磁気センサーの実現を目指すことである。EDMR法は磁気共鳴によって変化する電気伝導度を測定する方法である.EDMR法を用いてダイヤモンド中の窒素中心のスピン状態と電荷の相互作用を明らかにすることができ,スピン状態を利用して電荷の流れを制御することができる.さらにこのEDMR法は,電気的な窒素中心の制御も可能になる.その応用として,ダイヤモンド窒素常磁性中心の磁気共鳴現象を利用した磁気センサーの実現を目指す.さらに当該年度は、不純物と電荷との相互作用を解明するために、ダイヤモンドへのスピン注入の実験を行った。ダイヤモンド半導体中の不純物は、室温下で1ミリ秒以上の位相緩和時間を有するために室温下で動作するスピントロニクスの実現に向けた半導体としても注目されている。まず、窒素中心のスピン状態のEDMR検出を目指し、1)窒素ドープダイヤモンド基板2)窒素イオン注入ダイヤモンド基板、そして3)リンドープダイヤモンド薄膜を成長した窒素ドープダイヤモンド基板のEDMR測定を行った。特に3)は過去に窒素中心のEDMR信号が報告されている試料と同等である。これらの試料すべてについてEDMR測定を行った結果、ダイヤモンドダングリングボンドの信号のみが検出され、窒素中心のEDMR信号の検出にはいたらなかった。次に、不純物と電荷の相互作用を解明するために、ダイヤモンドへのスピン注入研究を行った。まず、ダイヤモンド基板上にニッケル・鉄合金薄膜を蒸着した。この薄膜の強磁性共鳴下で発生する起電力を測定した。その起電力を解析した結果、スピン流の発生を示唆する逆スピンホール電圧の検出に成功した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://scholar.google.co.uk/citations?user=-3j4iHEAAAAJ&hl=en
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