研究課題/領域番号 |
25886011
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
北崎 訓 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 学術研究員 (70713147)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | プラズマ / 大気圧放電 / 活性酸素 / 抗酸化活性 / プラズマ農業 |
研究概要 |
本研究は,プラズマによる人体に安全な農作物の生育制御および品質向上技術を確立することを目的としている,農作物の発芽時期の統一,収穫量の増加等の生育の制御や保存期間の長期化,味の改善等の品質の向上を,農薬や遺伝子組み換え技術を用いることなく,プラズマ照射により実現する.また,本技術の実用化を見据えてプラズマ照射条件の最適化および品質向上メカニズムの解明のために以下の研究を行う.(1)種子へプラズマ照射を行い,発芽時期,生育速度および収穫量の調査を行う.(2)収穫された農作物にプラズマ照射を行い,表面殺菌特性および味覚の変化を調査する.(3)プラズマ照射による農作物品質向上メカニズムを生化学的見地から明らかにする.平成25年度は研究に使用するプラズマ源の作製および生成活性種定量法の開発,収穫後作物へのプラズマ照射の影響調査を行った.活性種定量法に関しては,活性酸素に反応すると色が変化するケミカルインジケータの色相を分光器を用い計測し,色相の変化率とガス検知管を用いて計測したオゾン濃度のCT値とを対応させることで検量線を作成した.今後プラズマ照射実験の際,ケミカルインジケータの色相の変化を計測することで,その位置への活性種の照射量を見積もることが可能となった.収穫後の作物へプラズマ照射はブドウを用いて行った.30分プラズマ照射後のブドウ抽出液に含まれる抗酸化活性を試薬を用いて計測したところ,未照射と比較し約20%上昇した.このことから収穫後の作物へプラズマ照射を行うことで品質を変化させることができることがわかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
放電により生成する活性種の定量法は確立でき,また目的の一つである収穫後作物へのプラズマ照射が与える影響についても調査ができている.今後は様々な作物また条件でプラズマ照射を行い,最適値の導出を行うと共にメカニズムの解明を行う.
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今後の研究の推進方策 |
様々な条件でプラズマ照射を行い,各作物における最適値の導出を行う.また,プラズマ照射による種子内および組織内における成分の変化を調査する.種子および栽培中のサンプルからタンパク質を抽出し,試薬を用いた吸光度計測または電気泳動により定量的に調査する.
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