マグマ中における塩素性流体の発生のメカニズムを定量的に理解するうえで必要不可欠である,塩素のメルト中の拡散係数を,650~950℃,30~120気圧の条件で決定した.その結果,純水塩素を用いた実験,水を入れた実験ともに,これまでに想定されてきた値(NaCl溶融塩またはNaCl水溶液に花崗岩質メルトを浸す実験で測定;Bai and Koster van Groos, 1994)に比べ,3~4桁も低いことがわかった.この結果の違いは,先行研究ではNaも拡散し,メルトの構造を変化させたためと考えられる.
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