研究実績の概要 |
本研究は、Sloan Digital Sky Survey第III期(SDSS-III, 2010-2014)におけるBaryon Oscillation Spectroscopic Survey (BOSS)で観測された銀河の、3次元クラスタリング分布における大小スケールの赤方偏移歪みという効果を用いて、一般相対性理論の検証を行うものである。本研究課題では、従来行われてきたような大スケール(10-100Mpc)の赤方偏移歪みの測定に加えて、小スケール(0.1-1Mpc)の情報を用いてダークマターハローと銀河の関係に迫ることを目的としている。 本年度は、BOSS DR11 CMASS銀河の大スケールのクラスタリング分布を用いて、バリオン振動スケールの測定、赤方偏移歪みの測定を行った。また、この目的に必要な理論モデルとして用いるために、ダークマターハローのクラスタリング分布におけるハローバイアスモデルのモデルの改良に関する研究を行った。 さらに、小スケールの赤方偏移歪みによるダークマターハロー・銀河関係の研究に関しては、Subhalo Abundance and Age Matching法を用いて、星質量関数とクラスタリング分布を同時に説明する方法論を開発した。しかし小スケールのクラスタリング分布の赤方偏移歪みまで同時に説明できるモデルの確立までには至らず、より詳細な検討が必要であることがわかった。
|