スズは常温常圧下で金属のβ-Snとして安定に存在するが、低温で半導体のα-Snに同素変態を起こす。本研究ではスズ半導体検出器製作のための基礎研究として、β-Snからα-Snへの同素変態の様子を観測し、種結晶・温度・圧力といった環境条件の違いによる,α-Snへの相転移が起こる率を調べた。実験の結果、種結晶として,α-Snに格子定数の値が近いインジウムアンチモン半導体が適していること,温度は-40 ℃まで下げることで相転移の進行が早まること、高圧をかけることでスズペストになることを抑制できることなどがわかった。
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