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2013 年度 実績報告書

ジルコニウム同位体を利用したピグミー双極子共鳴の系統的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25887036
研究種目

研究活動スタート支援

研究機関大阪大学

研究代表者

岩本 ちひろ  大阪大学, 核物理研究センター, 研究員 (50649770)

研究期間 (年度) 2013-08-30 – 2015-03-31
キーワード実験核物理学
研究概要

本研究の目的は、近年新しく発見された原子核の電気双極子共鳴であるピグミー双極子共鳴(PDR)の発達過程をジルコニウム同位体に着目した測定を行なうことで確かめることと、超前方陽子非弾性散乱反応とガンマ線同時測定法を組み合わせた新たなピグミー双極子共鳴構造観測手法の開発を行なうことである。これまで実験的証拠が乏しくその実態が謎に包まれてきたPDRの構造研究を、本研究により大幅に前進させることができる。本年度の目標は、ジルコニウム同位体においてPDRの発達が予想される励起エネルギー領域の測定を高精度で行なうための陽子非弾性散乱実験手法の改良と、ガンマ線測定に使用するゲルマニウム半導体検出器の単体テスト及び架台の設計であった。
陽子非弾性散乱実験手法の改良については、300MeVのエネルギーの陽子ビームを用いて、検出器の配置及び磁気スペクトロメーターの磁場のかけ方を改良することにより、バックグラウンドの比較的少ない実験ができることが判明した。また、スペクトロメーターに散乱陽子が入射する部分に設置されるコリメーター付近を改良することにより、さらにバックグラウンドを減らすことができる可能性があることがわかった。これらにより、目的の実験を本年度に行なうための準備が整った。
ゲルマニウム半導体検出器の単体テスト及び架台の設計については、単体テストを2013年度の9月に、測定に必要不可欠なデータ収集系のテスト実験を2013年度2月に実施し、おおむね測定が可能であることがわかった。検出器架台の設計は現在も進行中であるが、本年度の5月に行なうテスト実験の結果を用いて最終案を決定する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ジルコニウム同位体に着目したPDRの発達測定については、昨年度で高精度実験の改良がおおむね完了し、本年度に実験を行なうための準備が整った。申請時の計画に沿って進展していると言える。
超前方陽子非弾性散乱反応とガンマ線同時測定法を組み合わせた新たな手法の開発については、検出器の架台設計が遅れているものの、本年度に実施を予定している解析手法の確立に必要不可欠なデータ収集系の準備が予定通り進んでおり、本年度の進行が大幅に遅れることはないと判断した。

今後の研究の推進方策

本年度は、ジルコニウム同位体のPDR発達測定を行なうとともに、超前方陽子非弾性散乱反応とガンマ線同時測定の解析手法の確立を行なう。また、ゲルマニウム半導体検出器の架台設計の最終案を本年度の9月を目標に決定し作成する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 陽子非弾性散乱実験によるピグミー双極子共鳴の研究と中性子核物質研究への応用2014

    • 著者名/発表者名
      岩本 ちひろ
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      東海大学 湘南キャンパス
    • 年月日
      20140327-20140330
  • [学会発表] Pygmy Dipole Resonance and Dipole Polarizability in 90Zr2013

    • 著者名/発表者名
      C. Iwamoto
    • 学会等名
      The 12th International Symposium on Origin of Matter and Evolution of Galaxies (OMEG12)
    • 発表場所
      International Congress Center EPOCHAL TSUKUBA (つくば国際会議場)
    • 年月日
      20131118-20131122

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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