研究課題/領域番号 |
25887039
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
張 娟姫 奈良女子大学, 自然科学系, 助教 (90708348)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | へガード分解 / 絡み目の橋分解 / ヘンペル距離 |
研究概要 |
平成25年度には3次元多様体のへガード分解や絡み目の橋分解のヘンペル距離に関して、次の様な研究を行った。 (1) 奈良女子大学の小林毅教授、井戸絢子氏との共同研究により、与えられた2以上の自然数をヘンペル距離として持つ(絡み目の)橋分解が存在することを証明した。しかも橋分解の種数と橋数は任意に選ぶことができる。この結果は与えられた2以上の自然数をヘンペル距離として持つ(3次元多様体の)へガード分解の存在に関する先行研究の類似でもあるが、(絡み目の)橋分解の場合には途中で必要になる(橋分解曲面の)曲線複体内の測地線がより効率良く出来ることや視覚化し易い等、今後具体例の構成及びその応用に向けて大いに役立つことが期待できる。 (2) 奈良女子大学の小林毅教授、駒沢大学の小沢誠教授、九州大学の高尾和人氏との共同研究により、「極小的である(他の橋分解から安定化操作で得られない)が最小ではない」橋分解の新しい例を構成することが出来た。既に小沢誠教授と高尾和人氏によって3橋結び目の極小的な4橋分解の例が知られていたが、今回は絡み目の橋指数と極小的な橋分解の橋数の差をいくらでも大きく出来ることが言えた。 また、平成26年3月には奈良女子大学においてワークショップ「Various Aspects of Classical Links」を開催し、絡み目の橋分解を中心とする様々な最新の研究について情報収集及び意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
与えられた2以上の自然数をヘンペル距離として持つ(絡み目の)橋分解の存在が証明できたことは、今後具体例の構成及びその応用に役立つことが期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究で得られた成果を踏まえて、引き続きへガード分解や橋分解の距離に関する研究を行っていく。特に、高いヘンペル距離をもつ分解の具体例の構成及びヘンペル距離の判定法の改良に取り組み、それらを用いてヘンペル距離が多様体や絡み目固有の性質をどの様に反映しているかを調べる。
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