平成26年度は3次元多様体のへガード分解や絡み目の橋分解のヘンペル距離に関して、次の様な研究を行った。 (1) 奈良女子大学の小林毅教授、井戸絢子氏との共同研究により、与えられた3以上の自然数をヘンペル距離として持つへガード分解で、特に「距離を実現する円盤の対が一意的」であるものが存在することを証明した。 (2) 奈良女子大学の小林毅教授、駒澤大学の小沢誠教授、九州大学の高尾和人氏と一緒に、結び目の橋分解の間の関係を捉えた「bridge tree」について共同研究を行った。特に、どの様なグラフが結び目のbridge treeになり得るかに注目し、新しいタイプのbridge treeの例を挙げることが出来た。 また、平成26年10月には奈良女子大学において研究会「ハンドル体結び目とその周辺VII」を開催し、ハンドル体結び目やその不変量に関する最新の研究について情報収集及び意見交換を行った。更に、平成26年12月には昨年度に続き、奈良女子大学においてワークショップ「Various Aspects of Classical Links II」を開催し、絡み目の橋分解を中心とする様々な最新の研究について情報収集及び意見交換を行った。
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