研究課題
複数のエキゾチックなクラスター構造の性質を明らかにした。まず、11Bにおける2α+tクラスター構造のガス的性質を議論し、角運動量の制限からくる自明な相関を除くとガス的状態として知られるHoyle状態によく似た構造を持っていることを明らかにした。また、12CにおいてHoyle状態やリニアチェイン状態といったエキゾチックな構造を持った状態が現れるのに、直観的にはクラスター構造とは無関係に思えるクラスターの壊れたシェルモデル的構造の様々な状態への混合が本質的な役割を果たすことを明らかにした。また関連する課題として、放射性炭素年代測定に使われている14Cから14Nへのβ崩壊が起きる確率に基底状態におけるクラスター構造の発達の程度が重要な役割を果たしていることを明らかにした。またクラスター崩壊の崩壊幅を簡単に求める近似的手法を開発し、20Neにおける16O+αチャンネルや8Beにおけるα+αチャンネルの崩壊に適用し有用性を確認した。未完成の課題として、中性子過剰な炭素同位体の13Cや16Cに現れるエキゾチックなクラスター構造の理論的探索を行い、ガス的状態やリニアチェイン状態に類似した状態を発見した。現在、どのような機構で現れたか解析中である。また現実的核力から出発したクラスター構造の研究を行うための模型、テンソル最適反対称化分子動力学法の開発に着手した。これは基底波動関数として相関演算子をかけた反対称化分子動力学波動関数を採用することで効率的にテンソル相関を取り込むという手法である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)
Phys. Rev. C
巻: 91, 014316 ページ: 1-11
10.1103/PhysRevC.91.014316
巻: 91, 024315 ページ: 1-10
10.1103/PhysRevC.91.024315
巻: 89, 044313 ページ: 1-10
10.1103/PhysRevC.89.044313
Prog. Theor. Exp. Phys.
巻: 2014, 073D02 ページ: 1-24
10.1093/ptep/ptu095