研究課題/領域番号 |
25888001
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
東海林 竜也 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 博士研究員 (90701699)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | 光ピンセット / 局在表面プラズモン / 顕微分光 / 輻射圧 / 金ナノホールアレイ / コロイド粒子 / 光捕捉 / 近赤外レーザー |
研究概要 |
共鳴光を照射したプラズモニックナノ構造体に発生する増強輻射圧を用いると、ポリスチレンナノ粒子や鎖状高分子、DNAなどを従来法である光ピンセット法よりも効率的に光捕捉できる。このプラズモン光ピンセットを昇華すべく、不揃いな構造やサイズを有する多様なナノ粒子の混合溶液から特定のナノ粒子を選別・捕集し、分光学的手法を用いて分析する新規な手法「プラズモン光クロマトグラフィー」の確立を目的とし研究を遂行した。 平成24年度において、プラズモン光ピンセットとして好適と思われる金ナノホールアレイを新たに有限差分時間領域法に基づく理論計算により設計、実際に作成した。作成したナノホールアレイは、現有設備の近赤外レーザーで励起することにより、ナノホール近傍にプラズモンに由来する増強電場が局在化することが理論的に示された。 このようなナノホールアレイのプラズモン特性は、ホール直径とホールの間隔幅に大きく依存し、捕捉対象によってナノホール構造を制御することにより選択的な粒子捕捉が実現されると期待される。 これまでにこのナノホールアレイを用いて、プラズモン光ピンセットを実証するにあたり捕捉モデル対象物となっている、ポリスチレンナノ粒子の光捕捉を達成した。このとき得られた実験結果を裏付けるため、新たに有限要素法に基づく理論計算システムを導入した。現在は、電磁場解析ならびに光熱効果による流体シミュレーションを達成すべくシステムを改善している。また、ポリスチレンナノ粒子だけでなく金属ナノ粒子や色素会合体の光捕捉を行い、ナノホールアレイを用いた捕捉挙動の解明を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在までに、ナノホールアレイの設計と作成、ならびにポリスチレンナノ粒子を捕捉対象としたプラズモン光ピンセットを実現している。平成25年11月に所属の変更、平成26年3月に実験装置の移設に伴い、若干進捗に遅れが出ている。具体的には、当初25年度に完了予定であった金属ナノ粒子や色素会合体など種々のナノ粒子の捕捉挙動については平成26年も引き続き実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年3月に実験装置を北海道大学から大阪市立大学に移設したことにより進捗に遅れがでているため、平成26年度は実験装置の立ち上げが目下の課題であるが、5月中には完了の見通しである。また、平成25年度に実施していた金属ナノ粒子や色素会合体などの捕捉挙動の解明については引き続き本年度も実施し、成果をまとめる予定である。平成26年度実施予定の計画も平行して実施することにより、期間内の計画達成を目指す。
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