金属ナノ粒子・金属表面に誘起される表面プラズモンを用い、振動分光の感度を向上させることに挑戦した。金ナノ粒子とパラメチルベンゼンチオールで表面修飾された金基板からなる金属球―金属平面構造(ナノギャップ)はラマンの増強を示すことで知られている。この構造を利用し、振動和周波発生スペクトルを測定した。ラマンの増強度は532 nm励起で250、647 nm励起で104と見積もられた。これに対し、振動和周波発生のシグナルの増強度は最大で5程度であった。振動和周波発生過程のコヒーレント性が増強度に低減に影響を与えていると予想される。
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