二酸化炭素を原料とするポリカーボネート(PC)は環境調和型材料として期待されている。しかし、PCのトポロジーを組換える研究展開にはほとんど進展がみられない。高分子トポロジーの組換えは組成や分子量に手を加えることなく物性を操る方策として期待されており、PCのトポロジーを組換えることは急務であった。本研究では、環状構造および櫛型の分岐構造を持つポリプロピレンカーボネート(PPC)の合成に成功した。また、環状PPCが直鎖状PPCよりも高い耐熱性を示すことを突き止めた。さらに、櫛型PPCは、一分子が楕円状のナノ粒子として振舞うことに加え、直鎖状PPCと同程度の温度で熱分解することを明らかにした。
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