研究課題/領域番号 |
25889007
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小林 光 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90709734)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | 自然採光 / 非結像光学 / 建築光環境 |
研究概要 |
当初の計画に従い、初年度は太陽の高度に大きく影響されずに太陽光を建築空間に採光する固定式の採光装置について、窓面外側や吹抜空間上部の屋外に設置可能な採光ルーバーの形状設計及び性能検証等を実施した。 ・形状設計は、計画にて示したCPC(Combined Parabolic Concentrator)形状を基本とする非結像光学の手法に基づいて実施した。光線追跡シミュレータにて、同形状のルーバーを南向きオフィス及び吹抜空間に適用した場合の採光及び配光を検証した。その結果、良好な採光効果を確認している。また同時にオフィスを対象とした場合に、特定高度の日射によるグレアの発生など改善すべき点の抽出も行っている。 ・同ルーバーの1/4縮尺模型を製作し、オフィスを対象とした模型実験を実施した。本実験にて机上面照度を測定し、シミュレーション結果の検証を行った。また、模型内の目視画像により、室内に実現される光環境について確認し、明るさ・グレア等に関する情報を得た。 ・シミュレーション及び拡張アメダスデータを用いて、同ルーバーを理想的に設置した場合の年間照明電力を試算した。基準照度を500lxとしたオフィスの場合には、50%以上の照明電力の代替が期待されることを確認した。 ・以上の検討を踏まえ、理想的な実施形態を検討した。ルーバー等の2次元断面は強度と価格等からアルミ押出を基本とするが、3次元曲面の併用による効果が期待されるため、樹脂あるいは金属のキャストによる成型と鍍金等による表面処理(鏡面化)について継続検討することとしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画した、1)採光形状検討及び光線追跡シミュレータによる設計と検証、2)サンプル作成と実験的性能検証、3)実用化へ向けた実施形態の検討、までを予定通り実施した。初年度の成果から、より積極的な固定式の採光装置の着想も得ており、順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画では、第2年度には実大サイズの実験を計画していたが、初年度の縮尺模型実験から、当初計画した光解析と実際の差異の検討及びグレアなどの検討がある程度可能であると判断できた。そこで、実大実験は必要に応じて実施することとし、寧ろ初年度の成果である採光ルーバーの改善検討及び、非結像採光に関する新たな着想による発展に注力することとしたい。なお、検討手法及びシミュレーション、測定を含む検証手法は、初年度に行った方法を踏襲することで対応できる。
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