研究課題/領域番号 |
25889009
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
趙 旭 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20650790)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | ナノ構造体 / ナノフラワー / 原子拡散 / 成長環境 |
研究概要 |
本研究は、異なる原子拡散現象(エレクトロマイグレーション(EM)およびストレスマイグレーション(SM))を複合利用し、フラワー状酸化銅ナノ構造体の革新的な創製技術を開拓すると共に、酸化銅ナノ構造体の形成に成長環境が及ぼす影響の調査を目的とする。平成25年度は、申請時に計画した研究を遂行し、以下の研究実績を得た。 1.フラワー状酸化銅ナノ構造体の創製のための試験片形状を考案し、作製した。また、作製した試験片を用いて、定電流印加下銅薄膜の電熱問題について取組み、そのEM特性を理論的・実験的に把握した。さらに、ナノ構造体の成長に必要な応力勾配を誘起できる最適な電流密度および温度を調査し、SMを引き起こすための実験条件を策定した。なお、酸化銅ナノ構造体の創製に関する銅の酸化特性を調査し、成長環境を策定した。 2.大気中・恒温・定電流にて試験片を通電して、通電直後の試験片を特定成長環境で放置し、定期的に観察し、構造体の成長過程を記録したと共に、成長時間の影響を調査した。なお、異なる成長環境を設定し、それぞれの成長環境下における試験片の経時変化を比較したことにより、成長環境が構造体の形成に及ぼす影響を調査した。現段階では、大量のフラワー状酸化銅ナノ構造体の成長が観察されなかったが、当初に予想した箇所にて少量のナノ構造体の形成を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は当初の予定通り、銅のEM、SM、酸化特性の把握およびフラワー状酸化銅ナノ構造体の創製を遂行したため。しかし、大量の酸化銅ナノ構造体の創製に関する検討が必要と思われる。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に得た結果に基づいて、より迅速成長可能な創製条件を検討し、特定成長環境制御下にて酸化銅ナノ構造体の大量創製を遂行する。また、ナノ構造体の形成に成長環境が及ぼす影響のメカニズムを解明する。このメカニズムの解明により、成長環境を制御することによって異種形状のナノ構造体を選択的に生成することが期待できる。
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