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2013 年度 実績報告書

堆積物微生物燃料電池を用いた高効率・省エネルギー型堆積物浄化技術の創生

研究課題

研究課題/領域番号 25889011
研究種目

研究活動スタート支援

研究機関群馬大学

研究代表者

窪田 恵一  群馬大学, 理工学研究院, 助教 (50707510)

研究期間 (年度) 2013-08-30 – 2015-03-31
キーワード微生物燃料電池 / 底質浄化 / 微生物触媒 / アノード電極
研究概要

本研究は、閉鎖性水域などで生じている底質環境汚染を改善する事を目的として、微生物燃料電池(Microbial Fuel Cells)技術を応用した革新的な新規底質浄化技術の開発を行うものである。特に本研究では、底質の深さ方向での浄化特性の把握のため、アノード電極の底質への挿入深さを変更して浄化性能の比較を行った。
具体的には東京湾より採取した内径30 mmのサプルコアを用いてカーボン板をアノード、カーボンフェルトをカソードとした堆積物微生物燃料電池を構築し浄化試験を行った。アノード電極は底質深さに応じて上部設置、下部設置、上下設置(2条件)の計4条件で行い、別途アノードを挿入するがカソードとの回路接続を行わない対象系も運転を行った。運転温度は約18℃とし、外部抵抗は1,000Ωを接続し約4ヶ月間の浄化試験を行った。
浄化試験はいずれの系においても開始直後より電流が観察された。特に電極を上下に設置した系では浄化試験中は90 mA/m2(サンプルコア断面積あたり)程度の安定した電流を観察した。一方で、底質上部にのみ電極を設置した系では試験開始直後は高い電流値を発揮したが約1ヶ月で電流値は20 mA/m2まで減少しその後安定した。底質下部にのみ電極を設置した系では50 mA/m2で安定した電流値が観察された一方で、浄化試験中期に一時的に100 mA/m2まで電流値が上昇し、経時的な電気生成能力の変化が観察された。
4ヶ月の浄化試験中の累計で500 ~ 600 [C]の電荷移動がほとんどの系で観察されたが、上部設置系では電荷量は約200 [C]にとどまり、設置条件によってアノード反応に違いがあることが示唆された。また、底質のBOD成分は電極を挿入していた領域で堆積物微生物燃料電池を構築しない系よりも2~3割程度減少しており、電極設置による浄化性能の向上が明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定である電極設置位置における底質浄化性能の変化を評価するため、サンプルコアを用いた堆積物微生物燃料電池の構築を行うと共に浄化試験を行った。浄化試験終了後、懸濁BODやORPによる底質の浄化性能評価を行い、発電との関係性も評価した。一方で当初の目的であった間隙水中のイオンについては海水そのものに含まれる硫酸イオン等の影響が大きく十分に測定できておらず、選択性のある除去フィルターの選定が必要であった。以上より、一部翌年度持ち越しの測定項目もあるものの、おおむね順調に研究は進行しているといえる。

今後の研究の推進方策

平成25年度で得られたアノード電極設置深さに対する浄化性能への影響の再現性の確認のため、冬季に採取した底質コアサンプルに対して平成25年度と同様の実験系にて実験を行う。また、底質中の微生物菌相解析を行い、堆積物微生物燃料電池による底質浄化に寄与する微生物群の評価を行う。この他、直流電源装置を用いた微弱電流印加による更なる堆積物浄化促進効果について検証を行う。平成25年度実施出来なかった無機イオン類についても測定を行う。
具体的には平成26年度前期に冬季のサンプルコアを用いた堆積物微生物燃料電池による浄化試験を行いつつ、平行して平成25年度実施した夏季コアサンプル試料からDNA抽出、菌相解析を行う。
平成26年度後期においては、直流電源装置を用いた浄化促進効果を評価する。また、前期に実施した冬季のコアサンプルについても菌相解析を行い夏季と冬季での微生物菌相の変化を評価する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] エアカソードの拡散性能変化による微生物燃料電池への影響評価2013

    • 著者名/発表者名
      窪田恵一、石原佑樹、木元貴紀、渡邉智秀
    • 学会等名
      第50回環境フォーラム
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      20131119-20131121

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公開日: 2015-05-28  

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