本研究では疲労損傷を記憶する新しい無線センサタグを提案した。基本的なセンサ原理としては、疲労損傷の累積に伴い電子タグのメモリ部分が順々に破壊されることにより、記録データが変化し、それをRFIDの技術で読み出すことで疲労損傷度を計測するものである。これにより無配線で簡便に設置でき、電源交換などのメンテナンスも不要であるという全く新しい特徴を有する疲労センシング手法を提案することができた。このような手法は、経済性・利便性に優れており、従来の非破壊検査手法に代わる手段のひとつとして、非常に有望であると考えられる。急増するインフラの老朽化問題に対するひとつの解決手法となり得ると期待する。
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