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2013 年度 実績報告書

高移動度・層状MoS2チャネルトランジスタの基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25889022
研究種目

研究活動スタート支援

研究機関東京工業大学

研究代表者

若林 整  東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (80700153)

研究期間 (年度) 2013-08-30 – 2015-03-31
キーワード二硫化モリブデン / 2次元層状半導体 / 第一原理計算
研究概要

将来のLSIモジュール用トランジスタのチャネル材料として、原子レベルで層状の2次元構造をもち、シリコンと同程度に移動度が高い二硫化モリブデン(MoS2)半導体について、第一原理計算を用いて研究を行った。
特に、二硫化モリブデン成膜技術の確立を目指して、二硫化モリブデンのバンド構造について計算し、バンド構造の結晶性(格子間モリブデン、格子間硫黄、格子欠損等)依存性を調べた。また、結晶性の評価に用いるRaman分光について、得られた結果を評価するための理想的な分光特性についても検討した。
さらに、二硫化モリブデン半導体特性の下層膜依存性を改善することを目指して、汚染物質を想定したバンド構造の変化についても調べ、例えば、ナトリウムによって、ピニング現象が発生してしまい、二硫化モリブデン膜が高濃度n型半導体としてしか振る舞うことがないことを確認した。これまでの他機関の発表において、主に剥離プロセスを用いて二硫化モリブデン薄膜を形成している実験結果の殆どが高濃度n型特性しか得られていないことと合致している。これは、シリコン半導体のクリーン化プロセスにより、二硫化モリブデン膜を成膜することが非常に重要であることを示している。これらを基礎として、二硫化モリブデン膜の移動度をより向上させる指針を得た。
以上の結果について、今後、少なくともレターを2編程度投稿する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

H25年度の計画に比較して、まず、二硫化モリブデン成膜技術の確立について、二硫化モリブデンのバンド構造について計算し、バンド構造の結晶性依存性を調べた。さらに、結晶性の評価に用いるRaman分光について、得られた結果を評価するための理想的な分光特性についても検討した。次に、二硫化モリブデン半導体特性の下層膜依存性を改善することを目指して、汚染物質を想定したバンド構造の変化についても調べ、例えば、ナトリウムによって、ピニング現象が発生してしまい、二硫化モリブデン膜が高濃度n型半導体としてしか振る舞うことがないことを確認した。これらを基礎として、二硫化モリブデン膜の移動度をより向上させる指針を得た。
今後、少なくともレターを2編程度投稿する予定であり、概ね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今後、トランジスタの性能向上のため、第一原理計算を用いて、ドーパントの評価を行う。特に、Mo置換とS置換それぞれについて、それらの隣接族を中心に不純物準位の評価を行う。さらに、同様に原子レベルで層状の2次元構造を持つタングステンダイセレナイド(WSe2)等の他の遷移金属ダイカルコゲナイド半導体についても結晶欠陥や汚染物質、ドーパントの検討を行い、二硫化モリブデンとの比較をすることで、原子レベル層状2次元半導体の高性能化を実現する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Progress and Benchmarking of CMOS-Device Technologies2014

    • 著者名/発表者名
      Hitoshi Wakabayashi
    • 学会等名
      International Conference on Electronics Packaging 2014
    • 発表場所
      富山
    • 年月日
      20140423-20140425
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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