大地震時の広域避難シミュレーションモデルを用いて,木造住宅密集地域整備事業の評価に関わる各種分析を試みた。まず,過去2時点の「避難困難率」の値を指標として,過去に実施された事業を評価した。次に,具体的な整備手法検討の一例として,狭隘かつ交差点間距離の長い道路沿いに緊急避難経路を設けた場合の効果を検証した。また,徒歩帰宅者の存在を考慮して,人々の火災曝露リスクや道路・避難場所の混雑度を推定したほか,「建物内閉じ込めモデル」と「地域住民による救助活動モデル」を組み込み,地域住民による救助活動の効果と救助活動者自身のリスクを評価した。さらに,自動車利用者の存在を考慮するための基礎的な分析を行った。
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