本研究課題では,ウェブハンドリング技術の一層の高度化を図ることを目的としている.そこで本研究では,実験装置を恒温恒湿度下に設置し,静電気,フィルムの膜厚さ,張力,湿度,ローラの表面粗さがフィルムと鋼ローラ間の摩擦特性に及ぼす影響について実験的に検討した.その結果,本研究で行った実験の範囲では静電気と摩擦係数に相関は見られなかった.一方で,湿度の上昇に伴い静摩擦係数は上昇し,メニスカス力の増加と同様の傾向を示した.また,ローラの表面粗さが小さいほど高い静摩擦係数を示し,その傾向は低張力時に著しく現れることがわかった.さらに,膜厚さの変化に伴い静・動摩擦係数が変化することを実験的に明らかにした.
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