近年,複雑な環境変化や地盤条件の影響を受けながら拡大する水溶性の汚染物質による土壌汚染被害が拡大している.研究過程では,複合的な要因によって発生する土壌汚染の適切な被害把握・リスク評価に向けた,飽和/不飽和地盤環境下における汚染物質の移動性評価手法の検討を行った.解析領域では,地盤材料を土/溶液/溶解物質/空気混合連続体として整理し,従来の連続体理論に混合体理論を適用し,地盤変形―間隙流体(溶液および空気)運動―溶解物質輸送が同時に評価可能となるモデルを構築した.実験領域では,一次元鉛直カラム試験機を作成し,地盤内流体の移動性評価を間隙水圧計,流量測定器によって計測し,現象の整理を行った.
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