ダイヤモンドはSiC,GaNを凌ぐ優れた物性値を複数有しており次々世代の省エネパワー半導体として期待されている.本研究はパワーデバイスで必須となる「低抵抗ウェハ」創製に向けて,フィラメントCVD法によるダイヤモンド合成研究を立ち上げた.基板温度と原料ガス濃度の緻密制御により異常成長粒子を抑制する条件を見出し,まずはアンドープでのウェハ合成に成功した.結晶品質を評価したところ,X線ロッキングカーブ半値全幅40秒と市販基板に匹敵する高品質性が得られた.高品質かつ大面積合成に関する重要基盤技術を確立し,革新的プロセスによる低抵抗ウェハ合成の可能性を見出した.
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