研究実績の概要 |
本研究では将来の航空無線通信方式の候補として, 離着陸時においても安定した通信を実現するための基礎技術の開発を目指している. 特に, 航空機等の超高速移動体への適用を想定し, OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)の1次変調方式として誤り率特性の優れたCPM(Continuous Phase Modulation)を用いたCPM-OFDM方式について検討した. 本研究では, ソフトウエア無線を用いてプロトタイプシステムを製作し, CPM-OFDMシステムを航空通信に適用した場合の, 有効性, および問題点を明らかにした. 平成25年度におけるSISO (Single Input and Single Output)環境での評価に続き, 平成26年度には, 送受信器にそれぞれ2本ずつのアンテナを用いるMIMO (Multiple Input and Multiple Output)での評価環境を構築し, 基本的な評価を実施した. エミュレーションを用いたフェージング環境での評価, および電波無響室における実環境評価を行い, CPMを用いることにより, ドップラーシフトに対する耐性が向上していることが確認できた. 今後は, 空間的なビームを形成することで同時に複数の端末との間でMIMOチャネルを構成するマルチユーザMIMOシステムへの拡張を行う予定である.
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