ヒトはたかだか4つの物体の情報にしか、一度に注意を向けたり、記憶したりすることが出来ない。さらに記憶や注意の容量は、視覚刺激が左右両視野に呈示されたとき(Across条件)、どちらか一方に呈示された場合(Within条件)にくらべ増大することが知られている。その神経基盤を探るため、サルに2つの認知課題ー複数記憶誘導性サッカード課題および複数物体追跡課題ーを訓練した。課題遂行中の前頭前野ニューロン活動を記録したところ、Across条件のとき、Within条件に比べ増大することを見出した。このことは、対側と同側視野の視覚情報が、解剖学的に分離されて処理されていることを反映していると考えられる。
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