研究課題
本年度は、前年度に確立したCRISPR/Cas9のオールインワンベクターシステムを用いて、効率的な遺伝子ノックインのシステム(PITCh法)を確立し、Nature Communications誌に論文を発表した。PITCh法は、マイクロホモロジー媒介性末端結合(MMEJ)と呼ばれる修復機構を利用した新規遺伝子ノックイン法であり、CRISPR/Cas9システムを用いてPITCh法を実行するためには、Cas9ヌクレアーゼと複数のガイドRNAを効率的に発現させることが必要不可欠である。本研究により、相同組換えの効率が低い細胞であっても高効率な遺伝子ノックインが実現可能となり、更にはこれまで遺伝子ノックインが極めて困難であった生物種(カイコやアフリカツメガエルなど)においてもノックインが適用できることが証明された。また、本年度はこれまでのオールインワンベクターシステムを拡張し、ヌクレアーゼ活性を不活化させたCas9タンパク質(dCas9)や、dCas9に制限酵素FokIのヌクレアーゼドメインを付加したFokI-dCas9にも対応可能なアドオンを開発した。これらの拡張パックと従来のシステムを併用し、マウス受精卵での変異導入および複数遺伝子の同時破壊が可能であることを示した。これにより、本研究によって確立されたオールインワンCRISPR/Cas9ベクターシステムは、培養細胞のみならず、動物個体においても機能的であることが証明された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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